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Sex Wax編: 二層塗りで細かく“理想的なダマ”を作る オススメのワックスアップ

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サーファーなら、誰しもが必ず試行錯誤を経験するワックスアップ。
自分に合ったワックス選びから、最大限の性能・理想のグリップ力を引き出す塗り方まで…
毎度の単純作業ですが、奥が深いです。

最近では11xチャンプ、Kelly Slater[ケリー・スレーター]がヒート前に行うワキシング姿が隠し撮り? され動画がSNSにリーク(笑)された事で「コンテストに挑むキング・ケリーの本気」「キング・ケリー、理想のダマ作りに妥協なし」とかなり話題になりました。僕自身もその動画を何度も見返しました。

今回は、そんなキングをしても決して妥協できない。これまでのワックスアップの試行錯誤の末になるかもしれない?

ワックスの塗り方を同じくSNS動画よりご紹介します。

今回使用するのは、レクチャー動画と同じサーフワックス界のキング Mr Zog’s Sex Wax[セックスワックス]の”Quick Humps”。70年代から世界中で愛され続け、そのオリジナルからベースワックスを必要とせず1層塗りが基本のワックスですが、現在では、愛用者の多くが一番硬い“TROPIC(BLUE LABEL)”、または適正の2つ上の硬さのワックスをベースワックスとして使用し、シーズン適正のモノをトップとしてその都度塗り上げるケースが多いです。
では、実際にタイトルにある『細かく“理想的なダマ”を作る』に関してですが、もちろん個々の好みやワックスの種類によって塗り方や効果は異なってきますが、Sex Waxの性能を活かしグリップ力を高める上で重要なのは凹凸。しかしその凹凸の元となる”理想のダマ”の作り方にはコツがあり、また毎度同じようにはいかないのもワックスアップの難しいところです。

ここでは“理想的なダマ”とか、凸凹とか申していますが、俗に「Humps(ハンプス)」と呼ばれるコブですね。パッケージにある「Quick Humps」が正にそれを表しています。また同じ意味でコブや凸凹を「Bump(バンプ)」といいますが、サーフワックスブランドSticky BumpsのBumpsがそれですね「ベタベタのコブ」ってところでしょうか。

\まず、理想とする仕上がりイメージが下記です。/

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Dave Macaulayさん(@dmacsurfboards)がシェアした投稿

画像は、オーストラリアのサーフボードブランドDmac surfboards[ディーマック・サーフボード]のシェイパーで元ワールドツアーサーファーDave Macaulay[デイブ・マコーリー]よるポスト。

この絶妙なボツボツ感…。こうなると、毎回トップコート(シーズンにマッチしたワックス)を使用前に軽く塗り込むだけで、ダマになった凹凸にワックスが乗り、効果が最大限まで引き出されます。しかし、簡単そうで、なかなかこうはいかないんですよね。

このDave Macaulayによるワックスアップ(ボツボツ感)を大手トラクション・パッド(デッキパッド)ブランド Creatures of Leisure[クリエイチャーズ・オブ・レジャー]は「wax job is next level」と表現しています。

\では、実際にDave Macaulayによるネクストレベルのワックスアップ・レクチャー動画をご紹介/

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Creatures of Leisureさん(@creaturesofleisure)がシェアした投稿


まずはワックスアップの基本。古くなったワックスを綺麗に落とし、せっかくなのでリムーバーなどで油分などもクリアにしておくと理想的です。

用意するのはSex Wax Quick HumpsのTROPIC/BLUE LABEL(真夏用の一番硬いタイプ、または2シーズン分硬いタイプ)と、ナイフ。
これでベースを作って行きます。

1.作業はワックスやボードが温まらない涼しい室内で行う

2.ナイフを使ってだいたい4mm程度幅で短冊切りしていきます。

3.そのうち2枚を両脇に挟んで体温で温めてながら作業を進めます。

4.残った短冊状のワックスを使い、ストリンガーから左右に分けて細かくラインを引いていきます
*ワックスのエッジを使って、やや斜め(ストリンガーを中心に逆Vの字になるように)細かく線を引いていく

5.左右ともラインを引き終えたら、平面を利用し全体を優しくならす様に上からワックスを乗せます。

6.最後に脇に挟んで温め、少し柔らかくなったワックスで5と同様に平面を使い、ベースを仕上げます。
*ここでも力は入れずソフトに塗り込んでいくのがコツ

いかがですか? 最初に入れた細かなラインの凹凸にワックスが引っかかり、ダマになることであの理想のボツボツ感が再現できるというテクニックです。

ワックスを塗るエリアが広いロングボードなどでは格子状に引いたベースに同様のダマを作る塗り方が割とメジャーではありますが、格子の幅も広く、見た目でもそれとわかるワックスの塗り方になります。

しかし、このDave Macaulayのテクニックでは元のラインが細かく、さらに格子状ではなく、逆Vの字であることで、エリア全体の仕上がりがとても綺麗です。

早速、僕も実際にこの手法でワックスアップをしてみました。

いかがでしょうか?(写真左側がノーズでテールに向かってV字になっています)

Dave Macaulayの仕上がりイメージと比べるとマダマダ…ですが、

まぁまぁなベースが敷けたんじゃないでしょうか? ベースには一番硬いTROPICを使用しました。最初に細かく引いたラインにさらにワックスが乗る(引っかかる)事で、いい感じのボツボツ感(バンプ)が逆V字に万遍なく出来ています。

次回への課題点としては、最初のライン引きをエッジ(短冊ワックスの角)を使って、もっと細く、且つ丁寧に引いていくってところでしょうか。特に前足部分は丁寧にするべきだったかと。。
[言い訳] 今回フロントもテールもパッドのない幅のあるボード使用した為、テール部分からラインを引いて行き、フロント部に上がることには徐々にワックスの角が取れていってたんですが、まぁいけるかな? と思ってそのまま横着したんです…もっとエッジを効かせたら完璧でしたね。前脚部分から線を引いていくのも良いかも。

今回はこれでよしとして、今の季節だとトップは春・秋用のMILD COOL(Orange Label)か、少し柔らかめのCOOL TO MID WARM(Green Label)です。これを海に入る前に軽く乗せる程度で、ベースの凹凸に重なりボツボツが増す事でかなりグリップしそうです。
*なんならトップ用も短冊型に切っておいて、塗った残りをミニワックスにしても良いかもしれません。

“ミニワックス”は、ポケットやウェットに忍ばせているプロも多いです。パドルアウト後に「どうもワックスの載りがしっくりこない…」となっても、引き返してまた車に…というのは面倒、しかしその日の結果に直結するものなので、楽しく満足のいくサーフィンが出来るよう、トップで使用するワックスの残りなど、小さくなったものは、あえて使い切らずにこの“ミニワックス”用に貯めておき、常備するのもアリですね。

但し、「これは! 剥がしたくない!」ってほどの超絶グリップのベース&ワキシングが実現しても、長期間塗りっぱなしにしておくと、ワックスが汚れてくるほか、ボードのクラッシュやフットマークなどによるクラック(ヒビ割れ)が出来ているのに気付かない場合があるので、大切なボードのチェック、メンテナンスの為にも定期的なワックスアップがオススメです。

またネットショッピングでWaxの購入なら、タイプ(シーズン)が選べるセット購入が便利です。油分もしっかり落とせる液体リムーバーも便利です。


追伸:今回のワックスアップで、どうしても『おしどりミルクケーキ』が食べたくなってしまった。。同世代の甘党サーファーの方はこちらからどうぞ(笑