WSL 2019 Championship Tour カレンダー発表

©️ WSL/KELLY CESTARI

2018年9月4日カリフォルニア州ロサンゼルスに本拠地を構えるWSL(World Surf League)[ワールド・サーフ・リーグ]のプレスルームより、リーグ最高峰であるCT(Championship Tour)[チャンピオンシップ・ツアー]2019年間ツアーカレンダーが発表されました。

例年に比ると、かなり早いタイミングでのスケジュール公開となりますが、
地元政府の不認可などの都合で、開催が危ぶまれ話題となっていたハワイ・ノースショア開催のイベントも、変わらず最終戦で組み込まれています。

主な変更点としては、まずオフの期間が1ヶ月延びて、その分ツアー開幕が1ヶ月遅れの4月スタートとなっています。
今季サメ騒動で中止となったMargaret River Pro[マーガレット・リバー・プロ]は、バリ開催を挟んだ5月末に組み込まれ、サメの出没・活動範囲を時期的に考慮されたものと思います。他、ウィメンズにポルトガルのMeo Pro[メオ・プロ]が追加され、男女同開催へ。代わりにこれまでウィメンズのみだったVans US Open[バンズ・US・オープン]はメンズと同じQSに移行(グレードは10,000のまま)となっています。

具体的なスケジュールは下記の通り

2019 Men’s Championship Tour Schedule *

Gold Coast Men’s Pro: April 3 – 13, 2019
Rip Curl Pro Bells Beach: April 17 – 27, 2019
Bali Men’s Pro: May 13 – 24, 2019
Margaret River Pro: May 27 – June 7, 2019
Oi Rio Pro: June 20 – 28, 2019
J-Bay Open: July 9 – 22, 2019
Tahiti Pro Teahupo’o: August 21 – September 1, 2019
Surf Ranch Pro: September 19 – 22, 2019
France Men’s Pro: October 3 – 13, 2019
Meo Pro Peniche: October 16 – 28, 2019
Billabong Pipe Masters: December 8 – 20, 2019
*すべてのイベントは変更されることがあります。

2019 Women’s Championship Tour Schedule *

Gold Coast Women’s Pro: April 3 – 13, 2019
Rip Curl Pro Bells Beach: April 17 – 27, 2019
Bali Women’s Pro: May 13 – 24, 2019
Margaret River Pro: May 27 – June 7, 2019
Oi Rio Pro: June 20 – 28, 2019
J-Bay Open: July 9 – 22, 2019
Surf Ranch Pro: September 19 – 22, 2019
France Women’s Pro: October 3 – 13, 2019
Meo Pro Peniche: October 16 – 28, 2019
Hawaii Women’s Pro: November 25 – December 7, 2019
*すべてのイベントは変更されることがあります。

また同日、Surf Ranch Pro[サーフ・ランチ・プロ]初開催を控えた、カリフォルニア州 レモーのウェーブプール、Surf Ranch[サーフ・ランチ]で開かれた会見により、2019年スケジュール発表に関連して、獲得賞金を男女平等化することがリリースされました。

これは国際的にも、米国を拠点とするグローバルスポーツリーグとしては初の組織となります。

WSLは、世界で最も急成長しているスポーツリーグの1つであり、ライブ放送をはじめとするデジタルコンテンツ、グローバルマーケティングにおいても常に先駆的な取り組みを行っています。また2020年東京オリンピックから新種目としてサーフィンが追加され、全く新しい観客へのアプローチやファンの拡大も期待される中で、今回の発表は、WSLが選手、組織が一丸となり常にレベルアップを図っている事を意味し、それが先駆的な一つのモデルとして、グローバルスポーツ、グローバル組織、そして社会全体の役に立っていくとしています。

会見でのトップ選手たちのコメントや、会見後のSNSなどの投稿・コメントなどを見ていても、より高まったモチベーションと、WSLが社会的にも大きな影響をもたらすこの改革と今後さらなる発展への期待が伺えます。
2019年シーズンで適応となるトーナメントは、CT[チャンピオン・シップツアー]、Longboard Tour[ロングボード・ツアー]、World Junior Championships[ワールド・ジュニア・チャンピオンシップ]、Big Wave Tour[ビッグ・ウェーブ・ツアー]とし、そして将来的には、現在WSLが大会を主体的にコントロールしていないQS(Qualifying Series)[クオリファイング・シリーズ]や、Pro Junior[プロ・ジュニア]に関しても、同様の対応を目指していく意向という事です。

以前、U18で和井田 理央[Rio Waida]プロとZoë Steyn[ゾーイ・ステイン]が優勝したPro Juniorの表彰式写真がSNSで拡散され、同じポイント、同じコンディションで、トーナメント方式やヒート数も男女同じ条件で開催されたこの大会の優勝賞金の格差について様々意見が交わされたという事がありました。

Pro Junior Winners Rio Waida (JPN) and Zoe Steyn (ZAF) at the 2018 Ballito Billabong Junior Series Prize Giving at Ballito, South Africa.©︎ WSL/Kelly Cestari

自分も『和井田プロ優勝』の記事で当時この写真を目にしていて、その時は全く気になりませんでしたが、改めてみると、これまで普通にあった男女賞金の違いが、ビジュアル的に格差として強調され、のちにそういった問題に発展したのもわかる気がします。

ただ、開催条件が同じこの場合の変革はシンプルで、単に賞金を同額に変更すればいいわけですが、その為にはスポンサーが得られるメリットおよびマーケット、観客数などの差も同等である必要があり、自分の身近なポイントやアマチュアコンテストなどで考えても、やはり絶対的多数は男性なので、現状では、男女の母数に絶対的な差があるこの市場でその仕組みを見いだすのは簡単じゃない事がわかります。先述の「その時は気にならなかった」というのも、そういうところかもしれません。

ただ、社会的という観点からすると全くそういう事ではなくて、
要するに、今回のWSLの発表には、男女平等な賞金にするだけでなく、男女隔たりのないイベント・コンテンツ運営と、同等(平等)であるべきマーケティングの確率を行うという事で差をつける必要が無くなる。そして、CTをはじめとした多くのツアーではそれが確立された(または見込みが立っている)と言う事になります。

と考えると、なるほど、確かに簡単ではない事を成し遂げているわけですね。
一介のホリデーサーファーとしても、なんだか誇らしいです。

その一環として、WSLはこのリリースで2019シーズンよりサーフィン界におけるウィメンズへの取り組み強化に関して以下の3つのイニシアチブを掲げています。

  • ウィメンズ・ツアーを際立たせるだけでなく、イベントの視聴者数とファンの参加を増やすためのグローバルマーケティングキャンペーンの実施。
  • チャンピオンシップ・ツアー期間で、WSLアスリートをフィーチャーし一緒に楽しめるステップアップ・スクール(クリニック)など、世界中の女の子のための地元コミュニティ・エンゲージメント・プログラムの開催。
  • 7xワールドチャンピオン Layne Beachley[レイン・ビーチリー]をはじめとした、ウィメンズ・サーファーのパイオニアによるコンテンツ・シリーズをWSLチャンネルを通じてマンスリーで開催。

WSLで活躍するトップクラスのアスリートが見せるパフォーマンス、レベルとその向上への期待度に格差はなく、プロモーションに至ってはそれぞれの特性を活かした展開によって、これまでも多くの成功例が存在すると思います。

今後一般市場、ファンやユーザーの拡大に成功する事で、爆発的な飛躍と盛り上がりを見せるのは、そのリードをもつウィメンズ・シーンかもしれません。